2022年6月14日火曜日

明治村 三重県庁舎の那智黒石

 

明治村正門・旧第八高等学校正門

三重県庁舎

庁舎2階

室内

那智黒石の碁石と硯

 愛知県犬山市にある「明治村」は初代館長・谷口吉郎と名鉄社長の土川元夫が、戦後の急速な経済成長の蔭で失われていく明治時代の貴重な建築物を後世に残そうと財団を設立し、全国から歴史的、芸術的に価値のある建物を移築し博物館として昭和40年(1965)に開園しました。

 明治村に移築された建物の中には囲碁と関わりがあるものもいくつかあります。

 明治4年(1871)の廃藩置県により、地方行政は新政府から各府県に派遣された府知事・県令が行うようになります。

 当初の県庁舎は既存の建物が活用されていましたが、西洋化の波により各地で洋風の新庁舎が建設されるようになり、三重県においては明治9年(1876)に県令岩村定高により新庁舎建設が計画され、3年後に完成しています。

 完成した庁舎は、間口が54mと大きな建物で中央に玄関と車寄を置き、前面にベランダをつけて左右対称とする構成は、明治9年(1876)に建てられた内務省庁舎にならった明治初期の木造官庁舎の典型といえます。

 昭和39年(1964)新庁舍落成にともない旧庁舍は明治村に寄贈され同41年に移築を完了。現存する唯一の明治初期の県庁舎として昭和43年(1968)に国の重要文化財に指定されています。

 現在、旧庁舎内には三重県に関する展示物がありますが、その中には三重県熊野市神川町で産出する「那智黒石」の碁石もありました。

 那智黒石は神川町でしか産出されない特殊な鉱石で、平安時代からその名が見られ、硯、床置石などで使われてきましたが、何と言っても碁石としての活用が最も多く、高級碁石の代名詞となっています。

 数年前に行った明治村で碁石が展示されている事を確認しましたが展示物が入れ替わっている可能性もあり、現在も展示されているかは確認していません。


明治村:愛知県犬山市字内山1番地 園内の1丁目13番地








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