起雲閣 |
庭園 |
麒麟の間入口 |
麒麟の間 |
十番碁で使用の碁盤 |
碁盤の裏面 |
熱海温泉の「起雲閣」は、大正8年(1919)に実業家で農商相などを歴任した政治家でもある内田信也が別邸として建築し、その後、東武鉄道、日清製粉などの社長を務めた根津嘉一郎の別荘となり、熱海三大別荘の一つに数えられています。
昭和22年(1947)に実業家で政治家の桜井兵五郎が購入し、旅館「起雲閣」として開業。山本有三、太宰治など多くの文豪に愛され、多くの作品がここで執筆されています。
現在は、熱海市が取得し、市指定有形文化財として一般公開されています。
起雲閣の和館「麒麟・大鳳」は、大正8年(1919)に、最初の持ち主、内田信也が母親の静養の場所として建てた別荘です。
座敷が周囲と同じ高さに揃えられ、畳廊下で囲まれているバリアフリー構造は入側造と呼ばれ、車椅子で生活していた実母に対する配慮だったと言われています。
建物の特徴である群青色の壁は、旅館となってから塗り替えられたものだそうで、桜井兵五郎が生まれた石川県加賀地方の伝統的な技法、「加賀の青漆喰」が採用されています。
起雲閣へは数年前に訪れていて、現在も展示内容が同じなのか分かりませんが、当時「麒麟の間」には、碁盤と碁石が展示されていました。
これは、昭和24年2月に、この部屋で呉清源と本因坊薫和が行った打込み十番碁の最終局で使用されたものだそうです。
呉清源といえば木谷實との十番碁が有名ですが、その後も何人かと行っていて、本因坊薫和こと岩本薫とは、昭和23年(1948)7月7日から昭和24年(1949)年2月24日にかけて行われています。当時、岩本薫は本因坊位を連覇して八段になったばかりでしたが、結果は7勝2敗1ジゴと、呉清源が勝ち越しています。
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