東郷湖の地図 |
東郷湖から臨む、はわい温泉 |
望湖楼 |
棋聖戦や名人戦などで度々会場として使用されている鳥取県東伯郡湯梨浜町にある「はわい温泉」の「望湖楼」を紹介します。
鳥取県東伯郡湯梨浜町にある東郷池(東郷湖)は周囲12km、面積4k㎡の汽水湖で、山の上から見ると鶴が羽を広げて飛んでるような形に湖が見えることから「鶴の湖」ともいわれます。
その湖畔には「東郷温泉」と「はわい温泉」の二つの温泉地がありますが、中でもはわい温泉は、源泉が湖底にある全国的にも珍しい温泉だそうです。
「はわい温泉」が発見されたのは、天保14年(1843)東郷湖の湖底から湯が自然湧出しているのを漁民が見つけ、湖畔の人々が農業での利用について藩から許可を得たのに始まります。
慶応2年(1866)には湯村幸助という人物が湖底に竹筒を差し込んで採湯し、湖上に浮かべた船で入浴する商売を始めますが、波の影響で揺れたり、船が流されるなどしたため明治初期には廃業しています。
それでも湯村は温泉開発を諦めず、明治19年(1886)頃に、湖岸を埋め立て掘削を行い、温泉旅館の開業にこぎつけます。
温泉は旧浅津村にあったため、当初は「浅津温泉(あそづ)」と呼ばれていましたが、当時「東郷温泉」の方が知名度があったことから昭和2年(1927)には「新東郷温泉」へ改称します。
現在、日本のハワイと呼ばれている「はわい温泉」ですが、はわいと言う地名は意外に古くからあり、少なくとも鎌倉時代の地図には、この辺りは「伯井田」(はわいだ)と書かれており、これが「羽合田」に転じていったそうです。
「羽合田」の表記は戦国時代、天正8年(1580)ごろの吉川元春の書状にも登場しています。
昭和28年(1953)近隣の村が合併し「羽合町」が誕生すると、昭和53年(1978)には町の創立25周年を記念して「羽合温泉」に改称。
1996年に町はハワイ州ハワイ郡と姉妹都市提携し、町内にヤシの木の並木を整備すると共に、夏は町の職員がアロハシャツで仕事をするなど日本のハワイとしてPRを展開。平成10年(1998)には温泉地の正式名称を「はわい温泉」と改めています。
平成16年(2004)に羽合町は近隣の東郷町、泊村と合併し湯梨浜町となりますが、町名は、羽合町のはわい温泉や東郷町の東郷温泉にちなんで「湯」、二十世紀梨の名産地である東郷町にちなんで「梨」、漁港の泊村にちなみ「浜」字が用いられました。
次に「望湖楼」についてですが、昭和6年にオープンしたはわい温泉を代表する老舗旅館で、桟橋で結ばれた湖上露天風呂は、まるで湖に浸かり東郷湖の景色を眺めているようで、全国でもここだけにしか無い施設だそうです。
望湖楼では、近年囲碁のタイトル戦が行われるようになり、第39期囲碁名人戦第二局(2014年 井山名人VS河野九段)、第40期棋聖戦第二局(2016年 井山棋聖VS山下九段)、第39期女流本因坊戦第二局(2020年 上野女流本因坊VS藤沢女流立葵杯)などが行われています。
特に、第39期女流本因坊戦は、藤沢女流立葵杯が「名探偵コナン」の大ファンだったため原作者・青山剛昌のふるさと鳥取県での対局を大変喜び、青山先生が生まれた北栄町(湯梨浜町の隣)にある青山剛昌ふるさと館へも訪れています。
なお、望湖楼も2010年2月に週刊少年サンデー第10号に掲載された「湯けむりの殺人」において、その舞台となる箱根温泉の湖望旅館のモデルとして建物の外観が描かれています。
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