2021年7月10日土曜日

上杉家の菩提寺・林泉寺

 

山門(元は家老の屋敷の門で上杉鷹山公もくぐられた)

本堂

案内図

中興開基 仙洞院の墓

直江兼続夫妻の墓

 漫画「花の慶次」の主人公としても知られる戦国時代末期の武将、前田慶次(利益)は上杉家に仕官して間もないころ、同僚が林泉寺の住職が傲慢であると愚痴をこぼしていたので住職と囲碁の対局をして、罰ゲームと称して住職を思い切り殴ったという逸話が残されています。
 林泉寺と言えば現在は米沢市にある曹洞宗の寺院で、上杉家の菩提寺として境内には歴代藩主の夫人の墓や家臣達の墓があります。
 元々、上杉氏の本拠地であった越後の春日山城山麓で明応6年(1497)に建立され、上杉景勝が会津を経て米沢へ転封した際に移転していますが、越後にあった林泉寺も廃寺とならずそのまま残されているそうです。
 慶次の囲碁の逸話は上杉家が会津にいた頃の話しと思われるので、まだ寺が米沢へ移転する前の事のようです。(史実かどうかも定かではありませんが。)
 林泉寺の米沢への移転に尽力し中興開基となった「仙洞院」(仙桃院)は上杉謙信の姉で、謙信の養子で米沢藩初代藩主となった上杉景勝の実母です。
 上杉家が米沢へ転封後、歴代藩主の廟所は別の場所に造営されていますが、林泉寺には藩主の正室等が葬られ引き続き上杉家から崇敬されています。
 林泉寺の境内には戦国時代から江戸時代初期にかけて上杉家を支えた家老・直江兼続と夫人のお船の方の墓もあります。
 幼い頃に仙桃院の推薦により謙信の後継者・景勝の近習となった兼続は、上杉謙信のもとで「義」の精神を学び。景勝を補佐して米沢藩の基礎を造っています。
 林泉寺の見学は、受付を済ませ本堂でお経をあげた後、謙信公の位牌や貴重な資料を拝見して、その後に墓地や庭園の見学するという行程になります。

【囲碁史人名録】 前田慶次

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