記念館入口 |
外観 |
静岡県伊東市の伊東温泉にある「伊東東郷記念館」は、日露戦争の英雄で、軍神と崇められている東郷平八郎元帥が、夫人の療養のため昭和4年(1929)に建てた別荘です。
リュウマチを患っていた夫人のため、東郷元帥が温泉に入れる屋敷を造ろうとして選ばれたのが伊東温泉だったそうです。
別荘は昭和8年まで利用され、東郷元帥が亡くなった後、ブリジストンタイヤ創業者の石橋正二郎氏が所有していましたが、海軍の依頼により軍に譲渡され、将官のための休養施設として活用されていました。
戦後は石橋財団が「元帥がお使いになったまま釘1本変えてはならぬ」という方針で管理し「東郷記念館」として公開されてきました。
その後、別の会社の所有となったものの、平成22年(2010)に東郷神社へ寄贈され、平成24年から「伊東東郷記念館」として再び一般公開されています。
離れの間 |
碁盤と碁石 |
箱の裏書 |
別荘は、母屋の他に、昭和7年に増築された離れがあり、離れの座敷には、東郷元帥愛用の碁盤と碁石が展示されています。
囲碁の愛好家だった東郷元帥は別荘滞在中、趣味の釣りや囲碁を楽しんでいたと伝えられていますが、棋力は「ザル碁」と呼ばれる程度だったそうです。
同じく軍神と崇められる乃木希典も同等の棋力を持つ囲碁好きだったため、明治44年に天皇の名代として二人がイギリス国王の戴冠式に出席した際、その船旅の中で毎日対局していたという逸話も残されています。
記念館の碁盤は犬養木堂(毅)より贈られたもので、箱には犬養直筆の裏書があります。
なお、記念館の開館日は毎土曜日、日曜日、祝日、第3火曜日で、コロナ対策で現在は休館中のようですので注意して下さい。
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