拝殿 |
埼玉県の、東武東上線・東松山駅から徒歩約5分のところに、日本三大稲荷にも数えられているある箭弓稲荷神社(やきゅういなり)があります。
箭弓稲荷神社は和銅五年(712)創建と伝えられ、もとは野久稲荷と言ったそうです。
平安時代の中頃に下総国の城主、平忠常が乱を起こし、安房・上総・下総を手中に収めると、大軍を率い武蔵国へと侵攻してきますが、朝廷より追討を命ぜられた甲斐国守・源頼信が、神社の近くに陣を張り太刀一振と馬一頭を奉納したところ、白羽の矢の形をした雲が敵陣の方へ流れていくのを目撃。これをお告げと感じた頼信は、ただちに進軍し勝利したと言われています。
戦後、頼信は願いが叶った礼として立派な社殿を造営。名を矢と弓を表す箭弓稲荷と改めます。以来、神社は松山城主、川越城主をはじめ、多くの人達の信仰を集めてきました。
ホームベース型とバット型の絵馬 |
ところで、箭弓稲荷神社は、その読み方から埼玉県内の所沢市を本拠地とする埼玉西部ライオンズを始めとする野球関係者も多く参拝しているそうで、境内ではホームベースやバットの形をした絵馬も販売されています。
團十郎稲荷(宇迦之御魂社) |
また、境内にある末社、團十郎稲荷(宇迦之御魂社)は、当社を厚く崇敬していた七代目市川團十郎が奉納した祠で、芸道向上の神様として現在でも芸能関係者が多く参拝しているそうです。
本殿 |
仙人の烏鷺 |
説明版 |
県の指定文化財になっている現在の社殿は天保6年(1835)に造営されたもので、豪壮な権現造りを特徴としています。
そして、本殿裏側の壁にはめ込まれた彫刻の中に「仙人の烏鷺」と呼ばれる囲碁の彫刻があります。烏鷺とは囲碁の別称です。
元メジャーリーガーのイチローは、一説によるとその並外れた集中力を子供の頃に囲碁により鍛えたとも言われています。
野球好きの人も、囲碁好きの人も、一度「箭弓稲荷神社」を訪れてみてはどうでしょうか。
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