妙善寺 |
井上家の墓 |
家元井上家の菩提寺である港区西麻布の日蓮宗日通山妙善寺は、寛永4年(1627)に紀州藩家老三浦長門守為春により創建されています。
為春は徳川家康の側室で、紀州藩主徳川頼宣と水戸藩主徳川頼房の生母である養珠院お萬の方の兄で、二人は日蓮宗の熱心な信者でした。
妙善寺では、法要説教の他、茶会、歌会、書画会、碁会等が催されてたそうで、中でも井上家による碁会が常設されていたため「麻布の碁寺」と呼ばれていました。
現在の井上家の墓は新しく建て替えられたもので、家元の墓と確認できるものは一切残っていません。 昭和40年代には、二つの墓石があり、一つは十三世井上松本因碩が建立したものだったそうですが、一つにまとめられてからは近年の囲碁とは関係ない人の名のみ墓石に刻まれているそうです。
また以前は、墓所の無縁仏のところに「吐血の局」で有名な赤星因徹の墓もあったそうですが、それも撤去され残っていません。
どなたの家でもそうですが、先祖も数代経ると先祖代々として一括りにされてしまうため、貴重な史跡を後世に伝えることの難しさを痛感させられます。
妙善寺の場所は六本木ヒルズの「グランドハイアット東京」の前にありますが、山門にあたる入り口がマンションになっていて、道路側から本堂を直接見る事が出来ません。また、墓所はお寺の建物を抜けて行く必要がありますので、当然、お寺に許可をとってからお参りください。
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